もう返してしまったので今は手元にはないけれど、せっかくなので私も読ませてもらいました。
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重松清さんの作品は初めて読んだのですが、面白くてあっという間に本の内容に引き込まれました。
久しぶりに考えさせられる内容だったので、忘れないうちに記事にしようと思います。
吃音の国語教師・村内先生
色んな中学校を舞台にした話ですが、「村内先生」が全編に出てきます。
村内先生は、吃音の国語教師。言葉がつっかえてすらすらと話せない。どうして教師をやっているのか?
村内先生は「大事なことしか言わない」、ひとりぼっちの子の「そばにいる」のが仕事だから。
最初は、え?意味わからない…と思うかもしれませんが読み進めていくうちにだんだんわかってきます。
印象に残った村内先生の言葉
「嘘は悪いことじゃなくて、寂しいことなんですよ。」
『青い鳥』重松清
この本には、いろんな中学生が出てきます。いじめられていた人・いじめた人・家族が居ない人・学校で声が出せなくなった人・担任の背中を刺してしまった人…
それぞれ事情の違う子たち。共通しているのは「どこかひとりぼっち」。
それぞれの物語を読み終えるたびに、深く考えさせられます。
いじめた側は忘れる…でも忘れさせないために村内先生がとった行動は
「いじめは、ひとを嫌うから、いじめになるんじゃない。人数がたくさんいるから、いじめになるんじゃない。ひとを、踏みにじって、苦しめようと思ったり、苦しめてることに気づかずに…苦しくて叫んでる声を、聞こうとしないのが、いじめなんだ…。」
『青い鳥』重松清
↑実際は、もっとつっかえながら言っていますが、このブログではわかりやすいように省略しました。
このセリフが出てきた話では、いじめられていたクラスメートが居なくなっても、村内先生が彼の机を置いたままにして毎日挨拶を続ける…どうしてか?
いじめられ、傷つけられた側はこの記憶を絶対忘れないけど、いじめた側の記憶も忘れないようにするために。忘れてはいけない、と。
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なんて考えの深い先生なんだろう、と思いました。
自分がもっと若い時に、この作品を読みたかったし、今の中・高生にぜひとも読んでほしい作品です。
娘の学校の先生が娘に貸したというのも、わかる気がしました。
「先生のおすすめ」と言って貸してくれたそう。
娘はいま不登校気味で、たまにしか学校に行けていないのですが、行ったときには先生がよく話を聞いてくれたりしているそうで、感謝しかありません。
娘自身がこの本を読んだ後、何か変化があったらいいなと期待していますが
なかなか感想も言葉少なだったので、今はわかりません。
「学校に行けなくて苦しかったあのとき、先生に貸してもらって読んだなぁ…」と大人になって思い出してくれる時が来るかもしれません。
涙の最終話
最終話では感動の涙でした。
これは私がいい歳の大人だからかもしれませんが。
村内先生が「そばにいた」少年が大人になってから先生と再会するお話です。
村内先生のどこまでも優しいまなざしが心に染みます。
こんなひとにおすすめ
・生きづらさを感じているひと
・考えさせられる物語を求めているひと
・昔、いじめられていた、又はいじめる側だったひと
・常に孤独を感じているひと
・どんどん読める本に出合いたいひと
・少年、少女だったころの気持ちを思い出したいひと
……忘れられない恩師の思い出は誰にでもあると思いますが、この作品は衝撃でした。
ぜひ読んでみてください。
ここまでお読みいただき、どうもありがとうございました。
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