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コツ①「おうむ返し」で相手に伝える
聞き上手になる為には、しっかりと聴いていることが話し手に伝わるよう言葉や態度で示す必要がある。
ポイントは返し方。言われた言葉をそのまま繰り返してみる”おうむ返し”をすること。
そうすると、相手の話した内容を確認するニュアンスが生まれるため、相手は「話を聴いてくれている」と感じる。
「楽しい」「うれしい」「悲しい」「つらい」など感情を表す言葉を繰り返すのがコツだそう。
さらにおうむ返しのいいところは、言葉で相槌を打つので会話にリズムが生まれ、話しやすい雰囲気になること。
初対面で何を話したらいいかわからないときにも便利。相手の話に相槌を打って、おうむ返ししてわからないところをたずねたりしていると、話題をひねり出さなくても話が続くという。
自分の知らないことについてあれこれ質問すれば、相手はどんどん話してくれるかも。
コツ② 言い換えて返すと、より自然になる
おうむ返しは、あまり続けるとわざとらしい印象をあたえることも。
おうむ返しに手を加えて、抑揚や強弱をつけたり、言葉を少し変えたりするとより自然な会話になるという。
ただし、そういう小ワザを意識するより、相手が何を感じているのかに関心を持つことが大切。
相手が伝えようとしていることの本質をキャッチして繰り返せば、その思いやりがきっと相手にも伝わるはず。
コツ③ 相手の話をまとめて、話し手に安心感を
おうむ返しから1歩進めて、相手の話を要約して返すと、よりきちんと話を聴いていることが伝わる。
「あなたの言いたいことは、つまり○〇ということですね」のように話をまとめて確認。
すると相手は頭の中を改めて整理できるうえ、自分の言いたかったことが伝わっていることに安心できる。
さらに「そうなんです、それで…」と話を広げていく流れができ、会話を弾ませることにつながる。
うまく聴くための便利なフレーズ
- 最初のひとこと「何かお困りのことはありますか?」
- 受容のひとこと「なるほど」「知らなかった」「そうなんですね」「すごい」「すてき」「うんうん」「さすが」
- まとめのひとこと「つまり」「ようするに」
これらのフレーズを状況によって使い分け、話を自然に引き出してみよう。
※相手の話を聴くときの注意点
1.相手の心に寄り添う
相手が伝えたいこととは?一言でまとめると何だろう?と関心をもって話を聴くこと。そうすることで、話し相手の心に近づくことが出来る。そのうえで「つまり、○〇ということだね」と話をまとめて返すと、きちんと話を聴いていることが相手に伝わる。
2.話の腰を折らない
話題の中で自分も似たような経験があると、つい「そうそう私も…私の場合は…」と自分の話をしてしまいがち。途中で話の腰を折ると相手は「話を聴いてくれていない」という印象を持ってしまう。話を聴くことに徹するのが大切。
3.まずはすべてを受け止める
話の中で、自分の考えと異なり疑問を感じるようなこともあるでしょう。そんなときも先入観を持たずにいったん相手をありのまま受け入れ、すべてを受け止めることを心掛けてみる。すべてを受け止めるといっても、「あなたは○〇だと思っているのですね(私はそれとは違う考えを持っていますが)」ぐらいの受け取り方でOK。「それは違うんじゃない?」と話をさえぎったり、指摘したりすると、話がそこで止まってしまう。こちらの意見を述べたり、アドバイスをしたりする方がいい場合はすべて聴いた後で自分の考えを話すこと。
4.無理に共感しなくてOK
相手が悩みを打ち明けてくれた時に、「その気持ちわかるよ」と反射的に言ってしまうと、相手の状況やとらえ方によっては「あなたに何がわかるの?」と反感を買ってしまうことも。同じ経験をすることなしに、気持ちを正しく理解することはできない。無理に共感せず、ただ相手の感情に寄り添っておうむ返しをする。そうすれば、こちらの相手を思いやる姿勢は伝わるはず。
5.話を聴く姿勢を取る
たとえばスマホを見ながらでは、話を聴いてくれていると相手は思わない。たとえ言葉で「そうだね」と返事をしていても、視線や姿勢が相手に向かっていないから、受け入れてもらえていないと相手は否定的に感じてしまう。家族などの身近な人に対してやりがちだけれど、相手が話しかけてきたら耳だけでなく、からだごとしっかりと相手に向けるようにしよう。
6.笑顔・相槌・うなづきは万能のコミュニケーションツール
積極的に取り入れて、話しやすい雰囲気をつくろう。ただし表面的でなく、心の底からニッコリと。にこやかな雰囲気が相手にも伝わるから、会話もはずむことでしょう。

思い当たることがチラホラと…今後、気を付けたいです。
次回はコミュニケーションの幅が広がる「質問力」についてまとめていきます!
続きはこちらから⑧コミュニケーションの幅を広げる「質問力」とは
次に、話を聴くときの心のあり方(注意点)6つをチェックしてみよう。
果たして自分はできているのか?