前回までのお話はこちらからどうぞ
まずはいつもどおり、セルフチェックを。
・周りの人の性格を踏まえて言葉を選ぶ
・人のペースに合わせるのが得意だ
・相手の主張は否定しない
・失敗したら素直に謝るようにしている
・空調が効きすぎて寒い時、周りに声を掛けてから温度を上げる
・忙しいときに話しかけられたら「あとでもいい？」と断れる
・試着した服のアドバイスを友人に求められたら正直に答える
・髪を切ってもらったもののイメージが違うことを美容師に伝えられる
・もらったプレゼントが趣味に合わなくても、相手に感謝できる
・友人とランチに行った先で一人だけ違うメニューを頼める
チェックの数が多いほど、伝えられているということ。
ネガティブコミュニケーション①「断る」
なぜ「No」と言いづらいのか？それはあなたが思いやりのある証拠！
しかし、相手の事を気遣うあまり、言いたいことが言えないのもストレスが溜まってしまうもの。言いづらいことも我慢しない方が、相手にとっても自分にとっても良い影響を与えることもある。
・「No」といえるとどうなるか？
「No」と言ってもいいんだと意識できると、自分が「No」と言われた時、相手の言い分も受け入れられるように。つまり自分と違う意見も「私はそう思わないけど、あなたはそう思うんだね」と相手の意見を否定しないまま自分の意思も主張できるようになる。
「No」と言い・言われることで本音で接することが出来るようになると、お互いの大切にしている価値観や考えをよく知ることになるでしょう。こうしたコミュニケーションを積み重ねていければ、結果どんなネガティブなことを伝えても、切れない絆やつながりをつくりあげていけるはず。
まずは言いやすいことから「No」と言うことを目指そう。次第に「No」ということに自信が付き、自分自身の事がもっと好きになれるという。
ネガティブコミュニケーション②「謝る」
あなたは素直に謝れている？
失敗をして誰かに迷惑をかけた時や、知らず知らずのうちに相手を怒らせてしまった時など、素直に謝れているだろうか？言い訳ばかりを口にして「ごめんなさい」のひと言が言えないということはないだろうか。
謝罪が苦手な人は2タイプ。
・小さな失敗でも自分を厳しく責めてしまう自己肯定感が低い人→自分を責めてしまうからこそ、自己防衛として「私は間違ってない」という言い訳が出てしまいがち。
・自分がミスをおかすなんて考えられず相手に謝るという行為にまで考えが及ばない完全主義の人→自分は完璧だと思っているからこそ、失敗したときにパニックに陥りがち。自分の事しか考えられなくなって「なぜそんなことをしてしまったんだろう」と自問自答して、謝罪をすることにまで頭が回らない。
謝罪で相手との関係を前向きに！
相手が怒っていると気づいたなら、最初に取るべき行動は素直に謝ること。原因について考えだすと、すぐに謝ることが出来ない。まず思いめぐらせるべきは原因よりも相手に嫌な思いをさせたこと。そのことについて謝ることで、相手への気遣いを表すことが出来る。素直に謝罪し、相手がそれを受け止めてくれたなら事態が収まり、相手との関係も前向きになるので、原因を訪ねることも可能でしょう。
注意したいのは、自分の正しさを主張することでなく、相手との良好な関係を結ぶ大切さ。謝ることは決してあなたのプライドを傷つけるものではなく、周りの人といい関係を結べ、幸せをもたらすもの。
謝るときのSTEP
まずは謝る
原因を考え、どう対応するか話す
相手を思いやる言葉を伝える
最後にもう一度謝る
ネガティブコミュニケーション③④「指摘する・叱る」
未来志向で指摘する
子供を叱ったりする時、「〇○したらだめ」などと相手を批判・否定する言葉や、「〇○しなよ」などの命令口調をつい使ってしまったことはないだろうか。こんなふうに相手の問題に焦点を当てた言い方だと、言われた方はネガティブな印象を受けがち。
意識したいのは「これからの行動」であり、現状をプラスに変える未来志向で指摘するのがポイント。
肯定的な指摘で前向きに伝える
例えば子供が電車の座席に靴のまま上がろうとするのを叱るとき、「靴のまま上がっちゃダメ」と言ってしまうという人が多いのでは？それだと子供が委縮してしまうので、おすすめは「靴を脱いで外を見てもいいよ」など、肯定的な表現に置き換える言い方。
相手の行動を制限しようと、指摘したり叱ったりするときには「〇○してもいいよ」と言い換えるのがコツ。否定的な言葉はそれ自体にマイナスのイメージがある。普段から肯定的な言葉遣いを意識することが大切。
「私は」をつけてやわらかく言う
家族に家事を手伝ってほしい時「少しは手伝ってよ！」といらいらしながら伝えてしまうと、相手は責められているような気持ちに。こんなときは「手伝ってくれたら（私は）うれしいな」「手伝ってくれたら（私は）すごく助かる！」など主語を自分にして「私の気持ち」を伝えるとやわらかくお願いするニュアンスが生まれる。
ネガティブコミュニケーションを始める前に
こうしたネガティブコミュニケーションを始める前には、意識して心に余裕を持つ必要がある。余裕がないままだと相手にむき出しの感情をぶつけかねない。怒りや悲しみが抑えられないときは無理をせず、自分自身にも優しく接して、まずは自分の感情を理解するところから始めたい。
不満や悲しさを我慢しすぎて心に余裕がなくなっていたり、「どうせ私なんて」とあきらめの気持ちがあったりすると、つい嫌味な言い方になってしまう。
こんなときも、余裕がない自分を理解して、受け入れることが大切。
ネガティブコミュニケーションの目的は「お互いの理解を深めること」
ネガティブコミュニケーションの目的は、自分の正しさを主張することでも、相手に勝つことでもなく、お互いの理解を深めることにある。
そのため素直な自分の気持ちを伝え、相手を感情的にさせないために冷静に接する必要がある。
これまで紹介してきた方法は、自身の気持ちを大切にしながら、相手にも嫌な気持ちを抱かせず前向きに素直な気持ちを伝える効果がある。できることから挑戦を。
相手からネガティブな言葉を投げかけられたときは、嫌な感情が前面に出てきてしまい、なかなか冷静にはなれないもの。その場合は、少し距離を置いたり、時間を置いたりして、まずは嫌な感情を静めることを試みるのがおすすめ。そのあとでこれまで紹介した方法を試してみると良い。そうすれば、ひとりでストレスをため込まず、相手を理解しながら良い関係を作ることができるだろう。
話した後は相手を信頼しよう
ネガティブコミュニケーションを図った後は、相手を信じること。
相手を信頼するというのは、実は自分自身を信頼することでもある。つまり相手に向ける不信感は、「あんな話をして良かったのだろうか」と自分自身を疑うことでもある。
でも、話したことで相手がどう感じ、どう行動するかは相手が決めること。相手を信じ、自分を責めずにネガティブコミュニケーションが出来た自分に拍手を送ろう。
相手を信頼することは、自分を信頼することでもあったんですね。
なかなか相手を信頼するって難しい気がしたんですが、それは自分自身を信じていなかったということにもなるのかな…。
長くなってしまいましたが、もうひといき。
相手を尊重するコミュニケーションのメリットについて
相手の価値観を受け止める大切さを伝えているこの講座。そのうえで行うネガティブコミュニケーションから得られるメリットとは。
相手の気持ちをゆるめる
ネガティブなことを伝えられる側の人は、どうしても自分が拒否されたと感じてしまう。そこで相手の価値を認める、理解していることが伝わったなら、相手の気持ちもほぐれる。「この人なら、耳を貸してもいいかなぁ」と受け入れやすくなる。
自分の気持ちも緩める
人の悪い部分を見ていると、こちらも何となく不快になって心も緊張してしまう。そんな状態で話せば、話自体もぎこちなくなり、相手にこちらの気持ちが伝わりにくくなる。反対に、相手の良い部分を見ていると気持ちがあたたかくなり、相手への信頼感も高まるため穏やかな雰囲気になり、相手にも伝わりやすくなる。
ここまで読んでくれてありがとうございます！
次回は、大事な人たちを元気づけ励ます方法についてまとめていきます。
よかったらお付き合いくださいね。
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断る・謝る・指摘する・叱る…相手に嫌われたくないから、ネガティブなことはなるべく伝えたくないですよね。
でも自分の考えを伝えることは決して悪い事ではないはず。
相手が受け取りやすい言い方・伝え方を勉強したので、まとめてみます。